愛犬の食事と胃腸の健康

2018/09/20
犬のフードの各成分は、胃腸の健康をサポートする役割を担っています。犬の敏感な胃腸の管理における食事の役割について詳しく学びましょう。
Adult Golden Retriever standing outdoors eating from a red bowl.

人間と同じように、犬も胃腸の問題を抱えることがあります。胃腸に問題を抱えると、不快感を感じたり、不快な症状に苦しんだり、時にはもっと広範な健康問題につながることもあります。敏感な胃腸を管理し、消化器系を健康に保つためには、食事が大変重要です。

犬の消化の仕組み

犬は消化器系の各段階において、食物から栄養素を消化、吸収しています。これを行う主要臓器の1つである小腸は、栄養吸収を可能な限り効果的に行うために、各種細胞から成る非常に大きな表面積を有します。ここで犬は、脂肪、ビタミン、炭水化物、ミネラルを吸収するとともに、胃で開始したタンパク質の吸収を完了します。

これらの臓器全体に、「有益な」バクテリアとしても知られているミクロフローラが分布し、消化器系の健康および機能を助けています。ミクロフローラは、犬が食べるものの影響を受けるうえ、さまざまな体液によっても調節されます。小腸には、このような有益なバクテリアとともに、異物や「悪い」バクテリアに対して防御免疫反応として働く細胞が存在します。

犬は生まれつき自分のミクロフローラに対して耐性がありますが、もし不耐性を発症した場合、IBDなどの慢性的な問題につながる可能性があります。同様に、免疫反応細胞が機能不全に陥り始めると、犬の消化器系は食物などの無害な要素に対する不耐性を発症し始めることもあります。

Puppy Beagle standing indoors eating from a red bowl.

愛犬の食事と消化

愛犬に与えるフードは、消化や腸内のミクロフローラに影響を与えます。本来、犬の消化器系は人間ほど丈夫ではありません。したがって、多様な食事を与えると愛犬の消化に不必要な負担をかけ、問題を引き起こすおそれがあります。

愛犬に与えるフードは、消化器系に負担をかけない高消化性のものであると同時に、必須栄養素が吸収されやすい形で含まれている必要があります。最も一般的な食事成分はタンパク質で、通常は牛肉や鶏肉、羊肉などがタンパク質源として用いられます。高品質のペットフードには、簡単に消化でき、胃腸の問題を引き起こしにくいタンパク質が使用されます。例えば小麦グルテンは消化率が高く、健全な消化の維持に役立つグルタミンを含んだ高濃度のタンパク質源であり、消化の出来ないタンパク質が大腸に流れ込んでしまうことも少なくなります。

食物繊維は犬の食事において重要ですが、特定の種類の繊維は消化しづらいことがあるので、慎重に管理する必要があります。食物繊維を食事に含むことで、大腸の動きを調節して便の質を改善するのに役立ちます。これは、愛犬に下痢などの症状が出ている場合に特に有益です。

水化物は優れたエネルギー源であり身体機能をサポートすることから、愛犬の食事の重要な成分の1つです。例えば、食物繊維は健康的な胃腸機能をサポートし、満腹感を高めるのに役立ちます。犬の食事で有用な炭水化物の1つはプレバイオティクスです。これは、善玉菌が愛犬の腸内で成長し増殖するための基質(「プラットフォーム」のようなもの)であり、ミクロフローラのバランスをより健全かつ効果的に整えるのに役立ちます。

脂肪は、愛犬の敏感な胃腸を管理するのに役立つ成分です。高脂肪食は、嚥下困難がある場合などに少量のフードで愛犬に必要なエネルギーを与えるのに効果的です。しかし、胃腸が敏感な場合は、胃腸の中を定期的に空にしてお腹の不調を引き起こさないようにすることが重要であるため、低脂肪食が役に立ちます。

愛犬が消化器系の問題を抱えていることに気づいたら、獣医師の診察を受けてください。体内を健康に保ち、敏感な胃腸を管理する上で最良のフードについてアドバイスをしてくれるでしょう。

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愛犬の健康に不安がある場合は、獣医師に相談して専門的なアドバイスを受けてください。

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