老化は猫にどのような影響を与えますか

2018/09/20

猫は生涯の各ステージで異なるケアを必要とします。しかし、どうなれば猫はシニアになり、飼い主は老齢期の猫に対して何ができるのでしょうか。

子猫時代の成長期やシニア猫の健康のサポートなど、猫の幸せをサポートするには生涯のステージごとに異なるケアが必要です。しかし、猫はいつシニアと見なされるようになり、飼い主はどのような変化に気づくことができるでしょうか。

猫の年齢を人間の年に換算

人間とまったく同じく、老化プロセスは個々の現象であり、猫はそれぞれ異なるタイミングで老化の兆候を示します。しかし一般的に、猫の体は7歳で細胞レベルでの老化の最初の兆候を示し始めます。ただし、猫が12歳ごろになるまでは外的症状は見られないでしょう。その時点から、猫の体内の細胞は減速していき、心臓と免疫システムを含めた身体機能の活動が弱まります。

獣医学上の猫の年齢区分は次のとおりです。

7〜10歳の猫は中高年期です
11～14歳の猫は高齢期と見なされます
15歳以上の猫は老齢期に分類されます

人間の年齢で理解する場合、10歳の猫は56歳の人間と同じです。猫が20歳まで生きることは珍しくありません。人間で言えば96歳です。

猫の老化の兆候

猫はそれぞれ異なる形で加齢の兆候を示しますが、すべての猫に起こる一般的な加齢プロセスもあります。嗅覚や味覚、聴覚が鋭さを失い、これが食欲に影響を与えます。歯の磨耗や歯周病、歯を失うことなど歯の問題によっても食欲は影響を受ける可能性があります。こういった問題が組み合わさり、体重減少につながる可能性があります。

関節の柔軟性は、とくに骨関節炎を患っている場合には顕著に失われ、激しい痛みや動作上の問題を引き起こす場合があります。柔軟性の欠如は適切な毛づくろいの能力にも影響を及ぼし、ひいては被毛や皮膚にも影響を与えます。被毛に白髪が交じることがあります。また、皮膚に栄養を与える油を生産する皮脂腺が活発さを失い、被毛の質が低下する場合もあります。免疫反応を生み出す生来の能力は年齢とともに減少する傾向があり、猫が感染症や病気の危険に晒されるようになります。加齢とともに脂肪やタンパク質の処理能力が低下するため、消化などの代謝プロセスも変化します。

高齢期の猫は、非社交的な気分のときに無関心になったり騒いだりするといった行動の変化を示すことがあります。睡眠時間が長くなっても眠りが浅いため、日々の習慣に支障をきたし、行動上の問題を引き起こす場合があります。

シニア猫の病気の症状

高齢の猫が示すこのような症状は単なる「加齢」のサインではない場合があります。大きな問題を示す症状である可能性があるのです。

猫は病気を隠す傾向があり、足をひきずったり音を立てたりといったわかりやすい仕草で抱えている痛みを示さないように努めます。しかし、それによって動きや活動が制限され、問題が悪化する可能性があります。このため、食事を拒否したりお気に入りの場所に跳び乗らなくなったりするなどの、猫の行動の微妙な変化に注意し、獣医師の健康診断を受けさせることが大切です。

以下のような症状を見せる場合、シニア猫が内在的な問題を示している可能性があるので注意しましょう。