高齢の猫によくある病気

2018/09/20
体重減少から糖尿病まで、高齢の猫に一般的だが管理可能な病気がいくつかあります。ここでは、どんな病気があり、愛猫の世話をどのようにしたら良いかを見ていきましょう。
Ageing cat sitting down being examined by a vet.

残念ながら、高齢の猫(10歳以上)は年齢に伴い、病気にかかりやすくなったり、身体機能の有効性が徐々に失われたりします。しかし、このような一般的な病気は、食事、医療支援、環境の変更を適切に組み合わせることによって軽減することができます。

高齢の猫における運動性の喪失

高齢の猫は、関節や軟骨が長年の使用ですり減ってきているので、関節炎や関節の痛みに苦しむことがよくあります。これにより運動性が失われ、不安定になったり、ジャンプが難しくなったりします。柔軟性がなくなるために、自分でうまく毛づくろいすることさえ難しくなることもあります。また、少し動くだけで関節が痛むために、遊ぼうとしなかったり、呼んでも来なくなることもあります。

猫の関節のケアは食事を通して行うことができます。たとえば、与えるフードの中に長鎖オメガ3脂肪酸を含めることで、関節の健康を支援することができます。同様に、コンドロイチンやグルコサミンなどの栄養素も、軟骨の健康をサポートするのに役立ちます。

また、お気に入りの高い場所へ続く傾斜路を作ったり、猫用トイレをふちが低くて入りやすいものに変えたり、寝具をより快適なものに変えたりすることで、高齢の猫が動くときに感じる不快さを軽減できる可能性があります。

猫の老化と糖尿病

200匹の猫につき、およそ1匹が真性糖尿病を患っています。特に高齢の猫に顕著で、7歳以上になると急激に頻度が増します。また、真性糖尿病は肥満と直接的な関連性があります。そのため、猫の糖尿病の発症を防ぐ効果的な方法の一つは、健康的な体重を維持することです。

糖尿病を患っている猫の細胞は、インスリンに適切に反応しなくなってしまいます。また、猫の体がインスリンを十分に作り出さない場合もあります。つまり、1日に1~2回程度注射を行い、体内にインスリンを採り入れなくてはいけないのです。獣医師は通常、インスリン療法に加えて、高タンパク質で低炭水化物の食事への切り替えを指示します。

高齢猫の糖尿病の症状としては、この病気を引き起こしやすい肥満の他に、頻尿や多尿、のどの渇き、空腹感の増加などがあります。愛猫がこれらの症状を示していることに気付いたら、必ずかかりつけの獣医師を訪ねましょう。

Ageing cat sitting outside.

中高齢期の猫と体重減少

体重減少は中高齢期の猫によく見られるものの、何らかの病気であることを特定できる症状というわけではありません。そのため、愛猫の体重減少に気づいたら獣医師の診察を受け、その原因を推定し適切な治療方針を提案してもらうことが重要です。

体重減少が症状として現れる全身性疾患には、慢性腎疾患、糖尿病、甲状腺機能亢進症、炎症性腸疾患などがあります。高齢期の猫の体重減少は食欲の低下によって引き起こされることもあり、それには次のような理由が考えられます。

  • 口腔内の問題により咀嚼時に痛みがある
  • 嗅覚と味覚の減退により食欲が低下している
  • 消化器系の疾患により、フードに含まれる栄養素を適切に吸収できていない

体重減少の根本的な原因をもとに、獣医師が愛猫に対する最善のケアについて情報を提供してくれるでしょう。しかし、柔らかい食感の食べやすいフードを与えたり、温めることによってフードの香りを高めたりすることも、愛猫の食欲増進に役立つ場合があります。

上記のような病気は高齢の猫によく見られるものとはいえ、それによって不必要な苦痛やストレスを与えることは望ましくありません。あなたの愛猫が苦痛を感じていると思われる場合には、獣医師の診察を受け、アドバイスをもらってください。

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猫の健康に不安がある場合は、獣医師に相談して専門的なアドバイスを受けてください。

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